pHのおはなし

ショウガサンゴ

この水槽は立ち上げて以来、ずっとpHが低い。試薬の呈色がずれているのかと言いたくなりたいほどであるが、原理的にそれはないでしょ。
微細な黒い毛のような藻が岩組を覆ってしまうし、カラフルな石灰藻もついてこないのが気になっているが、pHすら狙い通りのところに持ってこられない状況で、生物が思い通りになるわけがないのでありまして、まずは低pH状態について、問題の切り分けをしてみないと行けない。

その前に、もう一度測定ですが


水槽に入れる前ならどうか、ということで、人工海水を溶いたばかりのところで測ってみる。どうやら、これはpH8.0位を呈しているというところ?実は、このカラーチャートは8.0と8.6が似た色になっていて、8.6を示しているのかも知れず。8.6ならちょっと高めだが正常の範囲内だと思うが、8.0だとすると、海水を溶いたばかりの値としてはおかしいのでは?となる。製品の仕様として低いというよりは、普通は水を疑うべきところ。でも、水のpHは、人工海水のように、大量のイオンがとけ込んでいるのとは違って、ちょっとしたことで大きく変動する。逆に言えば、人工海水を溶いた状態で水による影響が出ると言うことは、かなりエキセントリックな水(たとえば、リン酸濃度が高い水だとか)なのではないか、ということになる。こういうことに悩んで、RO/DI浄水器を導入してしまうんだよなぁ、きっと。

ほぼ半量を水替えした状態で、水槽のpHを測定してみよう


と、水替え前に測定すると、常にpH7.7なんですが、これは7.7より高いですね。7.7と8.0の中間程度の呈色で、そういうことから見ても、たぶん、人工海水を溶いた状態で8.0なんじゃないかと。なんか、RO/DI方面に一歩進んでしまったような気もしますが、DIだけとかって製品はあるのかなぁ。その前に、水道水のリン酸測定が必要かな?自分で調べるのは面倒だし、何より当てにならないので、水道局のデータを見てみると、えーと、ウチだと原別配水所を参照するべきなんだろうけれど、なんですかこの硝酸/亜硝酸の値は!。でも、pHは7.24で市内で最低というわけでもない。でも、リン酸についてはデータないのね。しかし、思った以上に総硬度が高めで驚いた。おそらく、「おいしい水道水」としての青森市の水道水のイメージは、横内浄水場のイメージなんだろうね。堤川浄水所とか油川配水所なんか見ていると、これって海水入り込んでないかい?という気分になりますし。

おまけ

ポリプの開きにも悩んでおります。ちなみに、日本だと開くというけど(って、サンゴ飼育愛好家だけの言葉であるような……)英語だとextendになるみたいな。

写真は、照明をつけた直後のショウガサンゴです。購入した直後にはなかったグリーンの蛍光がポリプの先に出てきたので大層喜んでいるのですが、実はこんなポリプの開き具合は、照明がないときでないと見られず、このまま照明下に置くと、テンタクルを萎縮させていじけた感じになります、というか、既に萎縮し始めています。もっと、ふわっとした感じのままで見ていたいのですが。